年代によって異なる収入と消費の意識

CCCマーケティング総研では、生活価値観や購買に関する意識調査を実施し、世代や年代ごとの意識の把握に努めています。今回は、2022年6月に実施した調査より「収入」と「消費行動・意識」に関して、男女16~84歳までの性年代別に意識の違いをご紹介いたします。

収入への不安が大きいミドル層
 最初に、「将来の収入」についての期待と不安を見ていきましょう。
 図1の「期待」(「楽しみだ・期待している」と「どちらかというと楽しみだ・期待している」の合計)と「不安」(「不安だ」と「どちらかというと不安だ」の合計)を比べると、期待が不安を上回ったのは男性16~19歳のみで、他は不安に思う方の方が多くなっています。性年代別で比較してみると、男女ともに「期待」は16~19歳・20代の若年層で高め、「不安」は30~50代で高めであることがわかります。また、女性は16~19歳・20代の若年層で男性の同年代よりも不安を感じる方の割合が特に高い結果となりました。

性年代別 若年層 子育て 結婚 楽しみ
 
 図2は「自分のために自由に使うお金」についての質問です。「困っていない」とする方は、男女とも16~19歳・20代の若年層は4割、30代になると下がり始め40代で最も低くなり、50代から増加する傾向が見られます。30代~50代のミドル層は、結婚や子育てなどライフステージの変化により必要となるお金が発生し、自分のためにお金を使うことが後回しとなっているのかもしれません。この必要となるお金の存在が、収入に対する不安感を強めているとも言えそうです。

収入 好きなこと ライフステージ 給料 性年代   
 
収入への期待感・不安感や実際に自分のために使えるお金の充足度は、年代で変化があるということがわかりました。次にお金に関する考えや消費行動について見ていきます。

お金に対する価値観も年代で変化
 お金に関する価値観として、収入と幸福感の関係について尋ねました。図3では「収入が少なくても、自分が好きなことをできている方が幸せだ」と「幸せになるためにはお金が必要だ」の2つの考え方について、性年代別に比較しています。
 「収入が少なくても、自分が好きなことをできている方が幸せだ」は16~19歳では男女とも約半数ですが、その後4割前半まで下がり、再度60代から半数を超えます。「幸せになるためにはお金が必要だ」は60代までのスコアが男性で6~7割、女性で7~8割と多くの方が回答していますが、男女とも70代以降で回答者の割合が減少します。
 「収入」への価値観とあわせて考えると、幸せにはお金が必要と理解し将来の収入に期待する若年層、収入への不安感が強く幸せになるにはお金が必要との考えが強まるミドル層、自分のために使うお金ができ、収入が少なくても好きなことができる方が幸せと考えるシニア層とそれぞれ異なる傾向が表れています。

お金に対する価値観 金銭感覚 お金 収入 趣味

 図4では消費行動と価値観を尋ねています。男女16~19歳・20代の若年層では「趣味や好きなものに対しては、糸目をつけずにお金を使う」「将来のことは意識せず、いまを楽しむためにお金を使いたい」「購入時はみんなが持っているものやランキングを参考にする」が他と比べて高く、娯楽やコミュニケーションのための消費行動が見られます。男女70代以上では「多少価格が高くても品質が良いものを買う」が高くなっています。この年代は収入に対する不安感が他年代と比べて低く、自分のために使うお金に比較的余裕があるという特徴が出ており、それがこのような購買行動に結びついているのかもしれません。男女40代~50代では「多少価格が高くても品質が良いものを買う」が低く、男女ともに50代では「いまを楽しむためにお金を使いたい」が低い傾向が出ています。収入への不安感が消費意識に表れているようです。

購買行動 収入 価値観 性年代別 お金 余裕  
 収入・消費に関わる意識と行動について性年代別の比較をご紹介しました。本調査では生活価値観、購買価値観など広く質問を行っています。一部を資料にて公開していますので、ぜひダウンロードしてご覧ください。


 



無料 資料ダウンロード 購買価値観 生活価値観
他の調査は、こちらからご覧になれます▶生活者意識調査


【調査概要】
調査地域:全国
調査対象者:男女16~84歳のT会員
有効回答数:11,033サンプル
調査期間:2022年6月23日(木)~2022年6月30日(木)
実査機関:CCCマーケティング株式会社
調査方法:インターネット調査(Tリサーチ)
 
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。

 
【調査内容】
質問数:全22問
<質問項目>
・健康状態と活動
・生活価値観/就労意識/購買意識
・不安と期待
・情報源
・興味関心事項
・より便利になってほしいもの
・各行動の実施人数
・世の中の話題と自分の関心
・社会とのかかわりを感じる場所 等
<属性項目>性別、年代、居住都道府県、同居者、職業、未婚者、住居形態、世帯年収、1か月に自由に使えるお金

【集計内容】
・性年代別クロス集計

【注意事項】
・集計は日本の性年代人口構成比に合わせて調整しています。
・集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
品名:年代意識調査 全年代編(2022年6月)
番号:22-008-002

【価格】
集計表:90,000円(税別)

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担当:杉浦・斎藤
cccmk-souken@ccc.co.jp

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