変化するイベントの実施場所
- 2022.08.19
- 生活者意識調査
新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降、私たちの行動に大きな制限がかかりました。レジャーやイベントはその影響を受け、実施判断はもちろん内容や実施場所にこれまでとは大きな変化が生じた行動のうちの1つです。しかしながら制限がある中で、ネット上で旅行をする「バーチャルツアー」、家の中での「おうちキャンプ」など発想を変えてレジャーを楽しむ方法も注目されました。
多様化したレジャーやイベントですが、生活者の皆さまは実際にどのような形で実施しているのでしょうか。CCCマーケティング総研では、2022年7月19日(火)~7月25日(月)にアンケートを実施し、レジャー等の行動の実施場所や頻度、目的などを全国のT会員の皆さまにお伺いしました。
定着する「家の中」での実施
最初に、この1年の活動実施率と実施した場所を見ていきましょう。図1ではこの1年間の活動実施率です。ここではインターネット上で行うことも含め、実施場所は問わずに実施率を尋ねています。
最も多いのは「ショッピング(ネットショッピング含む)」(70.0%)で、「外食(外食店からの宅配や持ち帰り含む)」(65.2%)、「映画鑑賞(テレビ等での鑑賞含む)」(46.8%)が続きました。「旅行(国内・海外・日帰り含む)」は41.9%となっています。この春以降は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が解除されており、旅行に出かけた方もいることでしょう。
それでは、これらはどこで行っているのでしょうか。実施場所について、インターネット上での実施を含め、家の中から距離的に遠い場所までを複数回答で尋ねました。最も回答が多い場所ごとにまとめたものが図2です。
実施率で最も高かった「ショッピング」の実施場所は、通信販売の利用と考えられる「家の中(インターネット上で行うことを含む)」を回答した方が全体の約3分の2となりました。外出が制限される中で初めてインターネットショッピングを利用したという方もいることでしょう。「外食」は「自宅の近く」が59.4%で約6割と最も高くなっています。「家の中」は17.8%となり、外食店が宅配やテイクアウトの対応をするなどサービスを広げている様子が表れているようです。
実施場所に注目すると、「家の中」での実施は「スポーツ・トレーニング」で24.0%、「コンサート・ライブ・フェス」で21.1%となっています。どちらもこれまでは「家の中」での実施はあまりなかったかもしれませんが、コロナ禍で外出せずに自宅でトレーニングを行うようになったり、オンライン配信でのライブ体験が考えられます。
また、特定の場所に集中していないのが「写真・動画撮影」です。家の中から居住都道府県外まで、様々な場所で行われており、日常的なものから特別な体験まで画像や映像による記録が当たり前のように行われているということがわかります。
家族で楽しむのは特別感があるもの
次にレジャー等の活動を実施した目的を見てみましょう。図3では聴取した17の活動の目的について、それぞれ上位3位までを表示しています。
「自分が楽しむため」はすべての活動で上位3位以内に入っていますが、それ以外に共通して多かったのは「気分転換のため」と「家族で楽しむため」です。
「家族で楽しむため」が上位のレジャー・行動を見てみると、居住都道府県外で実施されるものや、場所は近くであってもバーベキューや外食など「いつもの食事と違う」特別感があるものが選ばれているようです。また、「気分転換」が上位のレジャー・行動は家の中で行われるものから居住都道府県外で行われるものまであり、レジャーなどの実施にあたっては場所を問わず重要な要素と言えそうです。
ドライブや旅行はもっと遠くへ、温浴・サウナはもっと近くで
最後に、今後実施したい活動と活動場所を見ていきましょう(図4)。積極的に実施したいという回答が多かったものはショッピング(ネットショッピング含む)」「外食(外食店からの宅配や持ち帰り含む)」「映画鑑賞(テレビ等での鑑賞含む)」「散歩・ハイキング」「旅行(国内・海外・日帰り含む)」で現在の実施率の上位項目と変わりません。
実施したい場所はどうでしょうか。ここでは「最も実施したい場所」を1つだけ回答してもらっています。図2の「この1年で実施した場所(複数回答)」との違いを見ると、「ドライブ」ではこの1年では「居住する都道府県内」での実施率が最も多かったところ、今後は「居住する都道府県外」が最も高い結果となっています。また、「旅行」では「海外」が12.0%となりました。
一方、「温浴・サウナ」は「自宅の近く」での実施希望が約3割と最も高くなっています。図3の実施目的では、「リラックス・のんびりするため」と「ストレス解消のため」が高いという他のレジャーや行動とやや異なる結果が出ていましたが、遠くの温泉やサウナにときどき行くよりも、少し疲れたときに近所で気軽に利用したいというニーズがあるのかもしれません。
今回は主にレジャーや行動が行われる場所を中心に実施状況を見ていきました。新型コロナウイルス感染症が収束しない中で、遠く離れた場所での行動を控えていた方も多いと思いますが、ネットを利用した「家の中での実施」など新しい形でのレジャー・行動を、サービスを利用したり、生活者自ら工夫することで実現している様子がわかりました。
外出できない、遠くへ行けないというコロナ禍での制限の中で生まれた新しいサービスには、生活者にとっての楽しさや利便性をとらえて定着、またこれから発展していくものもあるかもしれません。生活者が今感じていることを知ることは、サービスを考える上で不可欠と言えるでしょう。
調査地域:全国
調査対象者:男女16~79歳のT会員
有効回答数:2,787サンプル
調査期間:2022年7月19日(火)~2022年7月25日(月)
質問数:全8問
質問項目
・レジャー・活動の実施率
・(レジャー・活動ごと)実施場所(複数回答)
・(レジャー・活動ごと)最もよく実施する場所
・(レジャー・活動ごと)実施頻度
・(レジャー・活動ごと)実施目的
・(レジャー・活動ごと)一度実施するのにかかる一人あたりの金額
・(レジャー・活動ごと)満足度
・今後1-2年の間に積極的に実施したいレジャー・活動と実施場所
属性項目(性別・年代・同居家族・居住都道府県・職業)
【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計
【注意事項】
・単純集計は日本の性年代人口構成比に合わせて調整しています。
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。
【商品名/番号】
品名:レジャーや行動に関する調査(2022年7月)
【価格】
集計一式:12,000円(税別)
【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所
担当:杉浦・斎藤
cccmk-souken@ccc.co.jp