伝わっていますか?サブスク型サービス

   今回のコラムでは1年ぶりに「サブスクリプション型サービス」をテーマに取り上げます。

サブスクリプション型サービスは「一定金額を支払うことで、特定の商品やサービスを一定期間利用できる仕組み」ですが、ネット配信、レンタル、シェアなどで「モノを持たない」サービスであったり、期間内利用し放題など、お得感を感じる内容であったりと、従来の商品やサービスの購入とは全く発想の異なる「買い物」であることも多々あります。最近利用し始めたサービスがサブスクリプション型だった、ということもあるのではないではないでしょうか。

CCCマーケティング総研では、2021年12月に第2回目となる「サブスクリプション方式に関する調査」を行いました。「サブスクリプション型(サブスク)」の言葉の浸透度や理解度はどの程度進んだのでしょうか。ここでは20~69歳のT会員2,227名を対象とした集計結果をご紹介します。
 

言葉自体は認知が進んだものの、意味を詳しく知っているのは1割弱

図1では「サブスクリプション型サービス(「サブスク」)」という言葉の認知度を、前回と比較しています。「詳しく知っている」「それなりに知っている」「よくわからないが、名前は聞いたことがある」が少しずつ上昇し、「名前を聞いたこともない」は2021年で14.7%と、前年に比べて10ポイント近く少なくなっています。性年代別に見ていくと、男女それぞれ若い年代ほど「詳しく知っている」「それなりに知っている」の合計値が高くなっています。 全体的に「サブスクリプション型サービス(サブスク)」という言葉は認知が進んでいるということがわかりました。

ただし「詳しく知っている」は全体では1割を切っており、仕組みに対する理解はまだまだと言えるでしょう。

利用経験者が多いのは一部サービスのみ

次に、「サブスクリプション型サービス(「以下「サブスク」と表記)」の利用率を見ていきましょう。なお、「サブスク」という言葉の認知率は限られているため、調査では「定額使い放題サービス」(一定期間においてサービスを自由に、または一定の限度まで利用できる権利を得られるサービス。無料お試しや単発の利用は含めない。)として質問しています。

現在と過去の利用を合計した「利用経験」で1割を超えたのは「動画(映画・ドラマ・アニメ)」「音楽」「電子書籍(雑誌)」「動画(スポーツ)」。「動画(映画・ドラマ・アニメ)」と「音楽」が突出しているのは前回調査と同じ傾向です。他のサービスについては利用経験としては低いものが目立ちます。「ファッション(洋服)」では利用経験率は3.1%ですが、未利用でもサービスを認知している方は46.5%と多くなっています。洋服のサブスクはレンタルする形式が多いですが、日常使いの洋服をレンタルする意識が定着していない、新型コロナウイルス感染症の影響で外出着が必要な機会が減ったなど、利用に至るまでの壁がありそうです。

利用経験5%以上のサービスについて満足度を見ていくと、「動画(映画・ドラマ・アニメ)」と「音楽」は満足度が7割を超えており、「動画(スポーツ)」も62.6%と高い満足度となっています。また、「映画」も6割近い満足度となっています。

 

「動画(映画・ドラマ・アニメ)」「音楽」は継続率が高い

 さらに、満足度を現在利用者と過去利用者別に見ていきましょう(表1)。「動画(映画・ドラマ・アニメ)」「音楽」は現在利用者の満足度が高く、利用経験者における現在利用者の割合(継続率)も79.3%、69.7%と全サービスの中でも継続率が高くなっています。配信サービスとして一般的に認知や理解が進み、利用開始後も想定通りのサービスを受けられているということでしょう。また、サービス提供事業者も複数存在するため、利用者は自分に合ったサービスを選択することができます。

「解約率」では各サービスの過去利用者について解約時期を尋ねています。3か月未満の早期の解約率が4割台と高いものもありますが、各サービスの過去利用者の満足度が50%以上のケースも見られることから、サービスへの不満だけが離反理由ではなく、利用者は必要な期間だけ契約するといった使い方をしていることも考えられます。
サブスク サブスクリプション サブスクメリット サブスクデメリット サブスク不満


最後に生活者が感じるサブスクのデメリットや不満点をご紹介します(図3)。

上位4つは支払いに関することです。これまでの「買い物」のように、購入する商品に対して支払うのではなく、期間内に使用できる権利に対して支払いが発生することから、結局通常の買い物よりも高くついてしまうのではないかといった不安や、支払いに関わる契約手続きに対して不安に感じることが多いのかもしれません。

「サブスク」という言葉の浸透度やサービスの利用状況を見てきましたが、言葉の理解度は決して高くはなく、利用経験も一部のサービスだけが進んでいるという結果になりました。これまでに利用したことのないサービスに対し、生活者が慎重になっている面もあると考えられます。サービス内容や利用条件、料金、解約の方法などは事前に詳細を説明し理解してもらうことが重要と言えそうです。

 


【調査設計】
調査地域 :全国

対象者:20~69歳のT会員男女
サンプル数:2,227サンプル
※日本の人口構成比に合わせて回収
調査期間 :2021年12月2日(木)~2021年12月6日(月)
実査機関 :CCCマーケティング株式会社
本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。

【調査内容】
質問数:全10問
質問項目:
・性別・年代
・「定額使い放題サービス」の認知・利用経験<業種別>
・「定額使い放題サービス」を利用したきっかけや理由
・「定額使い放題サービス」のメリットや満足ポイント
・「定額使い放題サービス」のデメリットや不満ポイント
・「定額使い放題サービス」の利用期間
・「定額使い放題サービス」の1ヶ月あたりの利用金額<業種別>
・「定額使い放題サービス」の満足度<業種別>
・「定額使い放題サービス」の今後の利用意向<業種別>
・「サブスクリプション型サービス(サブスク)」の成り立ちや仕組みの認知

【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計
【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。
【商品名/番号】
品名:サブスクリプション方式に関する調査(2021年12月)
番号:21-020-002
【価格】
集計一式:12,000円(税別)


【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:杉浦・斎藤
cccmk-souken@ccc.co.jp

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