【生活者意識調査】家事の喜び、再発見

~この1年での家事の変化~ 大変、でもメリットも

 新型コロナウイルス感染症が流行してから、家で過ごす時間が増えたり、衛生面に気をつけるなど、私たちはこれまでとは違う毎日を過ごすようになりました。このような生活の変化は家事にも変化をもたらしたのでしょうか。CCCMK総研では2020年10月23日~28日に2,402人のT会員の皆様に、現在行っている家事についてアンケートを行いました。 

 なお、今回の調査では「料理」「掃除・片付け」「洗濯」「ゴミ処理(集める、まとめる、捨てる)」「買い物(食材、食品、日用品)」の5つについて聞きました。本コラム内で「家事」と表記している場合は、この5つを指します。

1年前より家事をする人が増加 

 最初に、家事を行っている方がどの程度いるのか、直近(2020年10月)、半年前、1年前の比較でみてみましょう(図1)。
 直近では9割以上の方が「家事を行っている」との回答でした。1年前(2019年10月ごろ)は84.3%、半年前(2020年4月ごろ)は85.0%で、1年前と比較すると7.4ポイントの上昇です。1年前と半年前では家事を行っている割合がそれほど変わりませんが、4月ごろから現在までの間に家事をするようになった方が増加しているようです。
 4月は新社会人、新入生が新しい生活を始める時期であり、初めて自分で家事をするきっかけになるタイミングですが、今年は新型コロナウイルス感染症による「新しい生活様式」が浸透していった時期が重なって、新たな家事が発生したり、在宅時間が増えることで家事をするようになった方もいたことでしょう。


【図1】
家事を行っている人の割合(量は問わず、手伝いも含めて行っているもの)

大変になった「買い物」。リモートワークの女性は専業主婦・主夫と似た傾向 

 この1年で家事をする時間が増加したり、不慣れな家事にも対応したり・・・どのような家事を以前と比べて「大変」と感じるようになったのでしょうか。図2で見ていきましょう。全体では、「買い物」が2割を超えてトップとなりました。続いて「掃除・片付け」「料理」「ゴミ処理」が15%前後となりました。
 男女別に見ていくと、どちらも「買い物」がトップですが、女性は「料理」「掃除・片付け」が続き、男性は「掃除・片付け」「ゴミ処理」が続きました。


【図2】
1年前と比べて今の方が大変になった家事

 大変になったと感じる理由を示したのが図3です。
 「買い物」は「新型コロナウイルス感染症の影響で、これまでになかった作業が発生した」が最も高く、他の家事と比べても突出しています。不要不急の外出の自粛が求められる中での買い物、ネットショッピングやキャッシュレス決済など、買い物に関してこれまでなかったことを経験する機会が増えました。外出を伴う買い物で衛生面に気を配る必要があるせいか、「プレッシャーを感じるようになった」も他の家事と比べ高くなっており、買い物は行動面・精神面の両方に大変さを感じていることがうかがえます。

【図3】
大変になった理由

 働き方の視点で大変になったと感じる家事を見ていくと、「リモートワークあり/女性」と「専業主婦・主夫」、「リモートワークなし/男性」と「リモートワークなし/女性」の傾向が似ていることに気づきます(図4)。この2グループの違いは「料理」ですが、「リモートワークあり/女性」の場合は、在宅の時間が増えたことで料理のことを気にしたり実際に調理する時間が増えたと考えられます。

【図4】
職業別 1年前と比べて今の方が大変になった家事"

20代、70代が家事をしてよかったことを実感 

 従来の家事にコロナ禍が重なって、大変になったと感じる家事もありますが、大変、つらいだけではありません。
 2020年4月以降で家事をすることでよかったと思ったことがあるかどうか尋ねたところ、半数以上の方が「ある」と回答し、具体的には「家の中が清潔になった」「家の中が片付いた」「節約につながった」が上位に挙げられました。
 「家の中が清潔になった」「家の中が片付いた」は掃除・片付けの成果でしょう。新型コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が長くなり、これを機会に断捨離をしたり好みの部屋作りを始めた方もいるのではないでしょうか。買い物は「以前より大変になった」と回答した方が最も多く出ましたが、買い物方法や購入商品の見直しをして「節約」というメリットにつながったのかもしれません。
 性年代別に見ると、20代と70代で「よかったこと」の回答数が多くなりました。20代は家事歴が浅い人も多いと思われますが、「腕前が上がった」と感じたり、女性では「楽しいと感じる家事があった」と新しい発見があったようです。70代は男性で「家事に対する自分自身の理解が深まった(大変さが分かった)」、女性で「家族などから家事の大変さなどに対して理解を深めてもらえた」が高め出ており、家族間で家事の分担や手伝いが行われたと推測される結果となりました。


【図5】
家事をすることでよかったと思うこと
家事をすることでよかったと思うこと
 暮らしていると必ず発生する「家事」には、日々の繰り返し作業である、面倒だといったイメージが発生しがちですが、よかったことがあったと感じる方も多いという結果になりました。「新しい生活様式」や「働き方改革」といった世の中の流れは、家事にも変化をもたらしたようですが、これを機会に家事について改めて考え、大変さが解消できるような見直しができるとよいですね。

本調査の集計表を販売しております。
詳しくは、下記をご確認の上、お問い合わせください。

【調査設計】
調査地域 :全国
調査対象者:男女・20~79歳のT会員
サンプル数:2,402サンプル(人口構成比に合わせて回収)
調査期間 :2020年10月23日(金)~10月28日(水)
実査機関 :CCCマーケティング株式会社(Tアンケートによる実施)
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本調査の集計表を販売しております。
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【調査内容】
質問数:全10問
内容:
・現在・過去に行っている家事
・好きな家事
・1年前、半年前と比較して大変になった家事・楽になった家事
・家事別 大変になった・楽になった理由
・家事をすることでよかったと思うこと
・職業・同居形態・性別・年代・居住都道府県
【集計内容】
・単純集計
・性年代別クロス集計
・職業別クロス集計

【注意事項】
・クロス集計において、集計対象数が極端に少なくなる質問は出力していません。

【商品名/番号】
品名:家事に関する調査
番号:20_008_002
【価格】
集計一式:12,000円(税別)

【お問合せ先】
CCCマーケティング総合研究所 
担当:服部 / 杉浦         
cccmk-souken@ccc.co.jp